蛇口をひねれば温泉が出るまち 新温泉町

GW前半は山陰方面に車中泊の旅へ。初日の宿泊地は兵庫県の新温泉町だ。

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家の水道の蛇口をひねれば温泉が出るまちが、この世に実在した! 兵庫県美方郡の新温泉町の、湯村温泉エリアと浜坂温泉エリアである。町の名称からしてもうお湯が湧いちゃってる。

『湯村温泉』の総湯量は1分間に2.100リットル。(なんと1分で牛乳パックが2.100個も並ぶのと同じなのです。)その豊富な温泉は昭和46年から各家庭に配湯を行い、63年には循環方式(60~65℃で送湯)にしました。現在の世帯数は479戸で配湯加入戸数は505戸と各家庭以外にも警察派出所寮・役場温泉支所・健康福祉施設などの行政施設や幼・保施設、小学校、中学校などの学校施設、銀行や病院、各旅館の社員寮、ペット温泉施設などにも配湯されています →出典

 

(浜坂温泉は)昭和57年6月1日に各戸へ給湯する温泉配湯(みんなげ湯の町システム)が完成しました。配湯管は浜坂市街地内に延べ18km布設され、旅館・民宿はもちろん、一般家庭など約800戸に給湯され、蛇口をひねればいつでも温泉に入ることができ、地域の皆さんに親しまれています。→出典

このあたりは豪雪地帯だけど、このお湯で床暖房にしちゃえば家の中はいつでもポカポカ。健康にもよさそうだ。うらやましいね。

さて、なぜこのあたりに温泉が出るかというと、地中の浅い部分にマグマだまりがあって、しみ込んだ雨や雪が温められるからだそう(火山性温泉というカテゴリ)。もっとも、これが地表に出てくる必要がある。

山陰海岸ジオパークの解説によると、湯村温泉は湯村断層の真上で、断層が地下深くからの温水の通り道になっているのだという。湯村温泉では摂氏98度!の温水が自噴していた。開湯は848年と古く、開湯者はなんと最澄の弟子の円仁(慈覚大師)という長い歴史ある温泉地。

浜坂温泉の方は少々事情が異なり、松葉ガニとほたるイカ漁が盛んな海に面した漁業のまちが、昭和53年、消雪用の水源を掘っていたらたまたま見つかったそうだ。湯村温泉から北へ車で15分ほどの場所。

都道府県でいうとここはまだ兵庫県だ。しかし山陰地方のこのあたり、温泉がそこら中にある。車で走っていると15分ごとに違う名称の温泉の看板が見つかる。ほぼ町ごとにあるくらいの印象だ。

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自然を愛するジオグラファー、ジオトラベラー。A naturelover, a geotraveller and a bicycle lover.

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