火打岩という地名に眠る鉱物

鍔市ダムの住所は丹波篠山市火打岩。こう書いて「ひうちわん」と読むらしい。珍しい地名だ。ぜったい何かを語っているはずだ。

まず調べてみたのは地質図。このあたり一面は中生代の付加体で、「混在岩」とある。そして御覧の通りこの辺一帯はグレー色(付加体で中生代の混在岩)が拡がっており、これだけでは特殊性が全くわからない。

もう少し調べていくと、こちらのサイトに、このあたりは1920年~1979まで、日鉄鉱業畑鉱山を中心に多くの珪石が算出された鉱山エリアだった旨の記述があった。

珪石というのは、シリカSiO2(二酸化ケイ素)からなる原料鉱石の総称で、普通は石英の集合体だそうだ。石英は火打石の代表的な素材ということなので、さすがに1920年では火打石の需要は少なかっただろうが、かつてこのあたりで採取した岩は火打石として有名だったのかもしれない。

さらに詳しい資料も見つかった。鍔市ダムのふもとにあたる南側の集落を畑地区と呼ぶが、以下の通り、地表はチャート及び砂岩層(←地質図の「混在岩」との整合性も取れる)だが、その下に鉱床を含むチャート層があるようだ。この鉱床というのが珪石だったのだろう。

なお火打石については、こちらのサイトに詳しい。石と金属を打撃して火花を出す「打撃式発火法」では、石は硬度7以上であれば鋼鉄と打撃したときに表面が削れて火花が出るので、世界各地にはいろんな火打石が存在するという。石英は硬度7なので、火打石になるわけだ。

今回の自転車旅も、興味深い新しい発見があった。やはり外に出ることで、調べるきっかけがもらえて、知識の幅が拡がるもんだ。

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自然を愛するジオグラファー、ジオトラベラー。A naturelover, a geotraveller and a bicycle lover.

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