875ccの2気筒ツインエアの実力を見損なっていた

ランチア・イプシロンを購入して、後悔したことが一つだけあった。それは乗車の快適性に関するもので、思った以上にエンジン音がボボボボッ!とうるさく、また特にローギアの切り替え時に車がガックンガックンと揺れる事だ。狭い道の多い京都の路地もスーイスイ♪という期待があったのだが、アクセルとブレーキを頻繁に踏む必要がある運転は、ボボボボ!ガックン!の連続でだいぶ想定と違った。その乗り心地は助手席に人を乗せるのを躊躇するくらいで、そういえばタイのバンコクあたりで乗ったトゥクトゥクの音や乗り心地に近い。

このエンジンとデュアロジックという自動クラッチの仕組みは、女性にも大人気のFIAT500のツインエアーのものと同じなのだが、何も知らずに可愛さだけでFIAT500を買ってしまった女性は気の毒だと思う。狭い道には小さな車、と同じように考えたのか、割と近所でも目にするんだよね。

ところが今回、京都~和歌山間をイプシロンで400kmほど走り回り、イプシロンの魅力を再認識することになった。875ccの2気筒ツインエアという小さなエンジンは、意外にも高速道路や山道で本領を発揮した。加速が良くて高速道路での合流や追い抜きは容易で、まちなかではうるさいと感じていたエンジンもシャーーッ♪と心地よい音を発する。水を得た魚という表現がピッタリだ。車幅が小さい分狭い山道の運転にも向いていて、登り坂も非力さを感じることなくすいすい登り、コーナリングも安定し、しかもどの車よりも速い。車がいうことをきいてくれて楽しい。楽しいので飽きないし、疲れない。車の運転にはこういう楽しみ方があることを初めて知った。

このランチア・イプシロンという車、やや高級志向な内装も相まって都会派と思っていたのだが、とっても郊外向きの車だ。

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自然を愛するジオグラファー、ジオトラベラー。A naturelover, a geotraveller and a bicycle lover.

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