滋賀県高島市の安曇川周辺を自転車で走っていると、ピンク色のじゅうたんを敷いたかのような鮮やかなお花畑が目に入ってきた。ところがこのお花畑、田植え前の田んぼに咲いているのだが、どうも咲き方が規則的なのだ。田んぼの区画に合わせるかのように、一面豪快に咲き誇ってるエリアとまったく咲いていないエリアを、直線で区切ることができる。
この花、レンゲソウというらしい。童謡、春の小川の「レンゲの花に~」とはこのことか。都会育ちの私には童謡が今一つ響かないのだが、さておき。
そしてエリアが直線で区切られている理由もウェブにあった。レンゲソウはマメ科の植物で空気中の窒素を取り込む性質があるため、緑肥として使われていたのだ。田植え後に来年のためにタネを撒いて、田植え前にすき込むのだと。以前はどの田んぼでもやっていて日本の原風景だったが、化学肥料の普及と共に姿を消していったと。
それでも安曇川の地で、こうして化学肥料に頼らない稲作をやっている方がいらっしゃるのは嬉しいじゃないか。
春の小川は さらさらいくよ
岸のすみれや れんげの花に
すがたやさしく 色うつくしく
咲けよ咲けよと ささやきながら