潮汐力、海峡地形、月の楕円軌道、カルマン渦・・・鳴門海峡のうずしおは複合アートだった

画像は「渦の道」からの借用です

鳴門海峡には渦が発生する

四国から大阪への帰り、有名な「うずしお」を見るために鳴門海峡に立ち寄った。鳴門海峡ではなぜか海に写真のような渦が発生する。渦が発生する原因は、潮汐と地形に起因して発生する速い海流だ。ちなみに余談ながらラーメンのナルトはここに由来を持つネーミングだ。

鳴門海峡は、本州と四国の間にある瀬戸内海と太平洋とを結ぶ海峡の一つで、幅が約1.3キロメートル。潮汐により1日に2回、大量の海水が瀬戸内海に流れ込み、また同様に1日に2回瀬戸内海から流れ出す。したがって、この干潮、満潮により6時間毎に起こる。瀬戸内海と太平洋の水位差は最高で1.5メートルにも及ぶ。海峡の幅が狭いことに加え、海底の複雑な地形も影響し、潮流は13キロメートル毎時から15キロメートル毎時の速度で流れる。

この速い潮流と、海峡両岸に近い穏やかな流れの境目において、渦が発生する[5]。複数の渦が発生し、左巻き・右巻きともに生じ、合わさったり分かれたりする。春・秋の大潮の際が大きいとされ、渦の直径は大潮の際は大きいもので10メートルから20メートルほどに達する。また、渦自体の深さは20メートル以上に達するとみられる (wikipedia

この速い海流が何かにぶつかって外側内側で速度がずれた結果カルマン渦が生まれる、というのが渦が生まれる原因として最有力説のようである。

非常にサービスの良いことに、一日4回、約6時間置きにうずしおは出現してくれる。満ち潮の時は太平洋側から瀬戸内海へ、その約6時間後の引き潮の時には瀬戸内海から太平洋側へ水が流れるというのだが、そのどちらの場合でも渦が発生する。2月上旬、満潮に合わせて見に行ってみたのだが、残念ながらこの日は肉眼では渦がはっきりとは確認できなかった。

潮汐の大きさの季節性

うずしおは春と秋が渦が大きく見ごろだそうだ。潮汐は太陽と地球と月の位置関係による引力と地球の慣性力に起因するところ、月の軌道は楕円なので、潮汐には季節差があって、遠地点と近地点の潮汐力の差は1.4倍もあるらしい。春と秋が月の近地点ということなのだろうか。次は3月15日頃から大潮らしい。行けるかな。

渦は一つではなかった

渦はカルマン渦だという。気象学の本で風が島にぶつかって風下にカルマン渦と呼ばれる二列の渦状の雲の列が発生すると読んだことがあったが、こんなところで再会できるとは。風と水の違いはあれど、同じ流体力学の話なのか。ということは鳴門海峡の渦も一つじゃないのだ。洗濯機みたいに大きな渦が一つ生まれる遭難スポットみたいな先入観を持っていたのだが、また一つ学んだな。

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ジオトラベラー A geotraveller.

1件のコメント

  1. […] 鳴門の渦潮は春と秋に最大化するとのことで、3月中旬、満潮時を狙って鳴門海峡へ。先月も訪れたが不発だったのでリベンジだ。 […]

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