雨が少ない瀬戸内海
海に面していればどこでも雨量はそこそこあるかというと、そうでもないようだ。南の四国山地と北の中国山地に挟まれる瀬戸内海は、既に雨や雪を降らせたあとの湿度の低い空気が流れ込むわけで、洋上であらたに湿度を蓄えるには瀬戸内海は狭すぎる。高松市は年間降雨量は1150mmほどだ。太平洋側とも日本海側とも顕著な差がある。
出典:せとうちネット(環境省)
香川には特にため池が多い
そこで米作りをするためには、どこかから水を引っ張ってくる必要がある。大河があればそこから導水すれば良いが、香川には大きな川がない。そこで香川はため池を作りまくりその数は12000以上、面積にしめる割合では全国一だという。以下の全国農業用ため池地図でも香川は真っ青になっている。満濃池に代表されるようにため池は香川のランドスケープの特徴になっている。またため池は米の収穫量に直結する重要な地域の共有財産であり、そのため厳格な運用ルールを定めて「ため池文化」が醸成されてきたようだ。

小麦の裏作とうどん生産
以上のように讃岐は水が少ないが海があるので冬暖かい。この気候・土地条件でも生産しやすい作物として、讃岐では小麦や大麦が米の裏作として生産されてきた。その加工物がうどんだ。しかし、同じような気候区分である吉備や安芸や伊予では麦がそれほど生産されていないのかという点はあらためて調査したい。