緑色の庭石はここから来ていたのか 紀州青石がどっちゃりな雑賀崎

そういえば岩ってあまり陸上では見ることがない。都市部ではもちろんだけど、田舎に行ってもない。それは植物が育ってしまって隠れてしまうからだ。その点海岸の絶壁は岩が露顕していて、色や形の違いがよくわかって面白い。

フィリピン海プレートが沈み込む場所にある和歌山県は、年代の違う付加体がミルフィーユのように層状に東西に連続している地層であり、これが北の県境(ほぼ中央構造線)まで続く。なので車で数十分海辺を走ればまた違う地質の海岸にたどり着く。岩好き、地質好きには魅力の多い場所と思う。この点は徳島県や高知県とも共通点しているようだ。

和歌山の地質(出典 産総研地質図)

今回、縁あってふらっと和歌山市の雑賀崎に立ち寄って、海辺に降りてみて驚いた。岩が一面緑色! これはよく日本庭園で見る立派な庭石と同じものだ。

もう一度地質図を見てみると、ここ。

このあたりは、緑泥石帯が露顕しているようだ。いわゆる変成岩で、三波川(さんばがわ)変成帯に見られ、和歌山産のこの石は紀州青石と呼ばれ重宝されているのだとか。なお三波川というのは群馬県の地名で、そこまでプレート沈み込みに起因する同質の地質帯がつながっているというのも興味深い。

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自然を愛するジオグラファー、ジオトラベラー。A naturelover, a geotraveller and a bicycle lover.

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