舞鶴のリアス海岸は地盤沈降でできた?水位上昇でできた?

リアス式海岸、子供の頃に習ったこの用語を発するとき、なんともくすぐったい気持ちになる。意味はよくわからないくせに、しかも自分も教科書を読んだだけなのに、しったかぶって友達に自慢げに話してた当時を思い出すからだ。

当時と違うのは今はネットを調べれば何でもわかること。

リアス式海岸とは狭い湾が複雑に入り込んだ沈水海岸のことをいう。沈水海岸とは沈降によりできた海岸で、河川などによって削られた地形に海が入り込むために、海岸付近で急激に深くなったり、岸近くに思わぬ暗礁があったりと海岸線が複雑になることが多い。反対に海底が隆起し、相対的に海面が下降したものを離水海岸といい、海岸線は平坦、遠浅で、海岸は地層が凝固していない砂からなる砂浜海岸となることが多い(wikipedia)。

雨や河の浸食作用ってすごいもんね。それに対して海の中ではそれほど削られないもんね。

舞鶴港は典型的なリアス式海岸で、恐ろしくギザギザな海岸線と岸壁が多々ある。それも大きなギザギザの中に中くらいのギザギザがあり、更にその中に小さなギザギザがあるというマトリョーシカ。ふらっと立ち寄った野原海水浴場は小さなギザギザの一つで、長さが500mしかなかった。

野原は定置網がたくさん転がっていたことから漁村と思われる。訪れたのは夕暮れ時で小雨が降ったり晴れ間がのぞいたりという微妙な天気で、水平線近くの夕陽から分厚い雲の隙間を抜けて空に向かって天使のハシゴをかけるという、おもしろい写真が撮れた。天使のハシゴは普通は上から下に向かってだが、今日の写真は下から上に向かっての放射状になっている。

 

さてこのあたりの舞鶴という美しい地名だが、この特殊な地形にルーツがあるという。湾の形が2羽の鶴が羽を広げた形に似ていることが、「舞鶴」の名前の由来と言われているそうだ。

もっとも鶴というよりは翼竜に見えるけどな。。

河川で浸食されてできた谷というからには、このあたりの地質はまずまず固いのだろう。産総研地質図によると、古生代の泥岩と中生代の火成岩が入り組んでいる。単純ではない。

ただ、入り江に入り込んでいる大きな川がないのはどういうことだろう?

リアス式海岸というのは地盤が沈降してできたと子供の頃習ったような気がするが、どうも最近気候変動の研究が進み、氷河期が終わって地球の海水の推移があがったことを主因とする説も唱えられているようである。舞鶴はどちらだろう?

自然地理が好きな方はこちらも
にほんブログ村 歴史ブログ 地理へ
にほんブログ村

投稿者について

自然を愛するジオグラファー、ジオトラベラー。A naturelover, a geotraveller and a bicycle lover.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です